今回は、利き酒師の資格を持つ佐々木正寛さんにインタビューしました!

日本酒を楽しむためのすべし5ヶ条を教えていただきました!


Q:佐々木さんのこれまでの経歴と現在の活動について教えてください。

学生の時は新潟県に住んでいて、就職を機に秋田県に戻ってきました。
就職してからは、飲み会とかに参加することが増えたんですけど、いろんな人と出会うじゃないですか。その時に、会社の名刺を渡したくなくて、なにか違う肩書きが欲しいなと思っていました。

そこで『利き酒師』の資格があることを知って、お酒も好きだし、利酒師になるときに名刺を作れると知ってその資格をとりました。

日本酒を好きになったきっかけは、兄が奈良の生駒市に住んでいた時に、連れて行ってもらった居酒屋で美味しい日本酒に出会って、「もっと知りたいな」って思ったからですね。

『利き酒師』を取ったのがきっかけで、「自分はこういうもんですよ」って言えるようになって、よりいろんな所に出かけるきっかけにもなりました。

1か条目 いろんな温度帯を楽しむべし

1か条目は、やっぱり日本酒は、いろんな温度帯を楽しむべし。

日本酒っていろんな温度感で楽しめるのが非常によいところです。よく「冷で」っていうけど、”冷”っていうのは日本酒でいうと常温のことです。

だいたい5℃の日本酒は「雪冷え」、10℃は「花冷え」、15℃は「涼冷え」と表現します。「燗」だと「日向燗(ひなたかん)」とか「人肌燗(ひとはだかん)」とか「ぬる燗」、「上燗(じょうかん)」などの表現があります。こういう温度を楽しめるのが日本酒のいいところの1つです。

一回温めてみようよって、温めたらどうなるんだろうっていう楽しみ方ができるのが日本酒なので、温度帯によって非常に面白くなるんです。

だから、いろんな温度帯を楽しんでほしいです。

2か条目 和らぎ水を忘れるべからず

そして、日本酒を飲む時は水も飲んでくださいね。2か条目としては、和らぎ水を忘れるべからずです。

温度帯もそうなんだけども、まず日本酒を楽しもうと思ったら水もたくさん飲むこと。お酒を飲んで楽しくなってくるとついつい飲みすぎちゃうから。

Q:和らぎ水を、飲むタイミングはどんなタイミングが良いのでしょうか?

和らぎ水は、例えば、飲み比べの時には飲んだ方がいいですね。 料理を挟まないで飲む時は合間に飲むほうがいいです。あとは、酔っ払ってきたなっていう時は、ぜったい飲むほうがいいです。(笑)

料理を食べて、酒を飲んで料理を食べて…。で、もう一回酒を飲んで。その次に酒を飲むタイミングとか、その料理を食べるタイミングとかで一回、和らぎ水を飲んでもいいかなと思います。もちろん好きなタイミングで飲めばいいんですけどね。

3ヶ条目 酒器を色々試して見るべし

3つ目は、酒器を色々試してみるべし。

例えば、薄いグラスで飲むビールと分厚いジョッキで飲むビールの味って違うんです。薄いグラスで飲んだ方が、よりビールのシャープさを感じて、少しずつビールを楽しむ感じになります。ジョッキで飲むとフラットに感じますが、ぐっと飲むにはちょうどいい味になります。

日本酒も一緒で、雪冷えくらいの温度帯の酒だったり、香りの高い酒の場合はワイングラスのような酒器が合いますし、お燗にしてもいいような酒は、焼き物のような厚い酒器でも味わえます。

同じ酒でも酒器によって香りの感じ方や、味わいが違ってくるので、色々と試してみてほしいですね。

4か条目 美味い肴を用意すべし

4か条目は、うまい肴を用意すべし。特に日本酒はうまい肴があってこそ。

Q:日本酒にはお魚が合うってばっかり思ってました。

そうですね。酸味が際立つものだと、脂っこい肉料理にも合いますから、魚以外にも組み合わせはありますね。

日本酒を飲むのであれば、うまい肴があれば、より良いです。秋田だと、クリームチーズにいぶりがっこがおすすめです。 いぶりがっことクリームチーズを混ぜてボール状にして食べるがっこチーズという料理があるんですが、うまいんですよ。やってみたら「めっちゃうまい!これさえあれば、一生飲めますわ!」となると思います。だからやっぱりうまい酒にはやっぱり肴が必需品です。

日本酒を楽しもうと思ったら美味しい肴を用意すべし。美味しい肴が自分で用意できないんだったら、美味しいお店に行くのがいいと思います。

Q:家で飲む時も、日本酒が合いそうな食事の時に開けて飲んでますね。

「今日の酒は酸味が際立つ酒だから肉料理を合わせよう」とか、そういう風に考えられますよね。最近は、ペアリングっていう言葉が浸透してきたけど、ペアリングなんて言葉がない時からみんな各々で食事と合わせてたんですよね。

Q:自宅で飲む時に「必ずこれを買う」っていうおつまみはありますか?

先ほども言ったいぶりがっこ、あと、ブリコのオイルづけですね。オリーブオイルに、鷹の爪やにんにくが入ってて、それをクラッカーとかに乗っけて、チーズをちょっと添えてます。やっぱり魚卵は合いますね。

5か条目 地酒を知るべし

日本酒を楽しむ為に、まず地酒を知ってほしいですし、飲んでほしいですね。それぞれ出身地の地酒を知り、飲む、地酒の物語に触れる。秋田県は日本酒処ですし、日本酒の消費量の全国トップレベルなので言わずもがな、だとは思いますが(笑)私は地元がにかほ市なので、飛良泉をよく飲みますが、全国でも有数の歴史を持つ酒蔵が地元にあるというのは誇らしいですよ。海の近くに建つ酒蔵を見るだけでも、物語が想像できます。昔から当たり前にそこにあるから、あまり感じていないかもしれませんが…室町時代からありますからね、凄い事ですよ。

Q:おすすめの日本酒はありますか?

飛囀(ひてん) シリーズは特におすすめです。ラインナップが数種類ありますが、それぞれのお酒で個性が違いますし、どれを飲んでも楽しめると思います。今日お話しした、温度帯、酒器、肴で、同じお酒でもガラリと表情を変える事もありますし、日本酒の入門編としても、定番(レギュラー)としても、どっちもいけるお酒なので、まだ飲んだことがない方は、ぜひ試してほしいですね。

Q:最後になりますが、佐々木さんにとって、にかほ市とはどんなところですか?

大学の時は新潟県に行ってましたが、4年だけで帰ってきて、生まれてからずっとここに住んでるので、好きなところもいっぱいあります。

やっぱり山があって、海があって、海から見る山も好きだしね。海越しに見る山も鳥海山も好きだし、 地元が好きです。

にかほ市のいいところをもっと知ってほしいなって思いますね。鳥海山の登山だけじゃなくて、目を向ければ元滝があったり、奈曽の白滝があったり。

もっと地元の人が、「にかほ市、いいとこだよね」って言ってほしいですね。自分の両親は、やっぱり他人の芝生が青く見えるというか、にかほ市を下げるんですよ。

にかほ市の魅力はたくさんあるので、当たり前と思わずに、もっと自慢して欲しいなと思います。

Q:同じくです!

そうですよね。好きだよね。好きじゃないと住んでないよね。

佐々木正寛さん、ありがとうございました!

この記事を書いた人

佐々木正寛