以前文化人で取材した佐藤渓輔さんと我妻颯さんが所属する釜ヶ台番楽の初棚公演(※2023年8月14日)にお邪魔しました。本市で開催される伝承芸能祭などでは、数演目拝見したことはあるのですが、実際現地に来て全演目を見るのは初めてです。カメラを構えながら、とても楽しみでなりませんでした。
過去のお二人の記事はコチラから
佐藤渓輔さんの記事:https://tegake.com/bunka-2/
我妻颯さんの記事:https://tegake.com/bunka-4/
−釜ヶ台番楽の歴史
約400年前に京都の修験僧「本海行人」が伝えたとされており、鳥海地区を中心に広がる『本海流番楽』の一つとされています。現在は、18演目が伝承されていますが、以前は40以上の演目があったとのことで夜明かし番楽として夜通し行われていたようです。
舞の種類は神舞、獅子舞、式舞、道化舞、武士舞、女舞など多種多様であり、全てを舞うには3時間以上もかかるのだとか。
−釜ヶ台番楽の紹介
現在保存会は9歳〜81歳まで33名が所属しています。主な公演日は、8月14日と8月20日の2日間の開催だそうです。
−地図、アクセス
開催場所は、釜ヶ台自治会館。
住所:〒018-0421 秋田県にかほ市釜ケ台中島9−5
看板を矢印方向に曲がると釜ヶ台集落に入り、約200mほど進むと釜ヶ台自治会館に到着します。
−開演
カメラマンたちは、公演前から早々セッティング中。集落の方々は、時間になると続々と増えてきました。
−お客さんの様子
ビールの販売も行なっておりましたが、家庭から飲み物を持参し、リビングでテレビをつけながらくつろいでお酒を飲むかのごとくゆったりとした雰囲気で楽しんでいました。
「伝承芸能」と聞くと神事的な要素が強く、畏まって見なければいけないというイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、「番楽」に関しては他地域と同様集落に根付いた娯楽という要素が強いです。
釜ヶ台番楽の特徴は五拍子のお囃子で舞い、楽が途切れることなく次々に演目が流れていきます。
他地域と同様に『四方固め(東西南北の四方向に向かって舞いをする)』を行なっていました。
釜ヶ台番楽の特徴は、舞手が客席に乱入してきたり、アドリブを混じえたものが多く、エンターテイメント性が強いと言った印象です。
ほら!気づいたらいつ間にか取材班の隣に!(笑)
お客さんの扇風機を借りて自由!
誰がいいかな〜?と見定めて…
最後は、幕の裏に連れて行かれたり!?
その他にもいろんな演目がありました。
−舞の紹介(一部)
『若子舞』
保存会有志が数年前から復活に向け練習してきた演目。10年以上も披露されていなかったものが、2022年〜お披露目となりました。
『神舞』
まだ稽古途中という小学3年生の特別出演!師匠と一緒にステージに上がり、堂々と披露する姿に感動しました。舞台の裏側というか、これぞ「継承」というものを拝見することができ、会場からもたくさんの拍手が沸き起こりました。
『ばくちさんば』
演目名にもついている「博打(ばくち)」をするかのごとく、アドリブを利かせながら自由に表現します。
−エンターテイメントの共演
今回は秋田を拠点に活動する『キャミソウルブラザーズ』のパフォーマンスもあり、番楽のみならず集落のお祭りや娯楽として根付いていると実感することができました。
保存会の若手広報部による「地域を盛り上げたい!」という思いが強く感じられ、現在の釜ヶ台番楽の継承にもつながっているように感じました。
これからも釜ヶ台地域から目が離せませんね!是非釜ヶ台番楽を体感してみてはいかがでしょうか?
過去の記事
釜ヶ台番楽とデジタルを融合させた『USIWAKA BeNKeI』も是非チェックしてみてください!