今回は、にかほ市で漁師として活躍している柳田章さんにインタビューしました。第五栄徳丸(だいごえいとくまる)の船長としての1日のルーティンを教えていただきます!

Q:これまでの経歴と現在の活動を教えてください。

第五栄徳丸の船長。高校卒業してから18歳、4月1日から自分の船に乗船。

Q:漁師になろうと思ったきっかけは?

その頃は長男は漁師するものってものだった。必ずするわけではないけど、親から漁師するなら好きなことやっていいって言われたから。

柳田章さん

Q:当時漁師以外に何かなりたい職業などはありましたか?

ない。小学校から、海洋少年団っていうものが金浦にあってそれに入るものって言われて入ってたから。周りがそうだったからね、うちらの場合は。

Q:漁師を始めてから、他の職業がしたいなどは?

ない。自由だからね。友達から話聞いて上司とかそういうのはめんどくさいし、そういうのは無理って感じで。

ルーティン

0:10 起床

0:50 出航

Q:この間の40分はどのようなことをしていますか?

トイレ行ったり、乗組員を起こしたり。船に持っていくご飯、おかずを持って行ったり色々。

Q:乗組員は何名いらっしゃるのですか?

正規は3人。1人はお手伝い。自分合わせて計5人。

Q:乗組員に怪我のないように声を掛けるとありますが具体的にどのような言葉をかけますか?

ただ声をかける。「怪我しないようにね〜」って。特に潮の流れが激しい時。危険だからね。

柳田さんが乗っている船『第五栄徳丸』

3:30 操業開始

操業とはブイを海に投下すること。ここから底曳きで魚を獲る。

7:00 朝食 

今の時期は獲りたての海老を食べる(※取材時 2022年1月22日)

Q:年間通して、朝ご飯はどの時期が一番美味しいですか?

今はエビだけど、冬直前などはアンコウ。あとはイカ。ゴミの入っているイカ (※綺麗に洗わないってことよ。)

12:00 昼食

獲りたてのハタハタやタラを食べる。

Q:朝食からの間の5時間で操業は何度行うのですか?

3:00ごろから4〜5回。一回落とすのに1.5時間ほどでそのほか漁場に移動に時間がかかる。

14:00 帰港

昼食後、1.2回操業をして帰港する。

Q:鮮度をよく保つための施策など何を行っていますか?

カレイや、ヒラメなど刺身で作るものであれば、氷を丁寧に平らにして並べるように。殺菌の冷水機を搭載してそれに入れて市場に出している。

Q:乗組員に対して将来的にこうなってほしいなどありますか?

1人の子は自分の後釜って変なんですけど、自分と同じ操業をできるように、船長になれるように覚えてもらいたい。少しずつ勉強させています。

Q:漁師の数が減っている現状があると思うんですけど、それに対する対策などはありますか?

乗組員が減っている以前に船そのものが減っているので。今割と若い人乗っているからね。やっぱ船数少なくなると漁師の人口は減っていくんでね。

Q:柳田さんにとってにかほ市とはどんなところですか?

住みやすい。災害はないし、旬のものはたくさんあるし。12月はハタハタ、タラ、かに、えび。春先にはサクラマス、底曳きでは取れないけれど。あとはカレイ類など。

正直、越前ガニよりもここの蟹が一番美味しい。っていうのはプランクトンが違う。だから悪いけど、名前で売れてる越前ガニ、味はにかほだな。今これも県に話して宣伝の仕方を変えてもらう。同じ秋田県でも県北はおいしくない。山形県もだめ。荒らし原(あらしわら。海底が砂利のような地形)と泥原(どろわら。海底が泥のような地形)っていう漁場で違うの。泥原だと、プランクトンが豊富なため美味しくなる。だからこの辺の魚は美味しいの。

にかほ市の漁業を支える柳田章さん、ありがとうございました!

柳田章さんは、秋田県にかほ市で活躍する漁師と、漁師の魅力をぎゅっと凝縮した図鑑「漁師図鑑」にも掲載されています。

Webサイト:https://www.ryoushizukan.com
漁師図鑑の記事はこちら:https://tegake.com/release3/

この記事を書いた人

柳田章

にかほ市で漁師として活躍している柳田章さん。第五栄徳丸(だいごえいとくまる)の船長。