秋田マテリアル株式会社の代表取締役を務める佐藤佑介さんにインタビューしました。

秋田マテリアル株式会社では、環境事業(金属スクラップ・産業廃棄物処理・リユース事業)、地方創生事業のほか、ドローン会社(air-clue株式会社)の運営など様々な事業を行っています。そんなたくさんの事業を抱える会社の代表取締役のルーティンや会社への想い、考え方まで詳しく伺いました!

Q:佑介さんのご経歴と現在の活動内容について教えてください。

由利工業高校卒業後、地元の製造業、建設業を経験しました。2009年、24歳のときに秋田マテリアルに入社し、2015年に取締役専務に、2016年に代表取締役に就任し、今に至ります。現在は、経営と事業成長・拡大のため、ミーティングをしたり、外部に勉強に行ったりしています。

Q:ミーティングは具体的にどんなことをするんですか?

現在行っている事業や社員の働き方についてはもちろん、中長期的な経営戦略・組織戦略について話し合っています。新規事業や既存事業の展開もありますが、今一番時間を使っているものは採用ですね。高卒・大卒・中途採用についても代表である自分も関わり、採用を強化しています。環境事業はNo.2の三浦力也さん(事業部長)が責任者として動かしています。幹部ミーティングでは組織をどのようにしていくか、そのために何をやっていくのかを話し合い、仕組みづくりを行っています。

Q:ありがとうございます。ではお仕事の日のルーティンについて教えてください。

ルーティン

Q:まず仕事前のルーティンから教えてください。

AM 5:00 起床

AM 5:00 心理学を学んでいる仲間とzoomシェア

朝5時前に起きます。「選択理論」という心理学を一緒に学んでいる仲間がいます。5時からその仲間たちとzoomを繋いで勉強会を30分間しています。5時半から朝食を作ります。6時半前には朝食を作り終え、子どもたちに食べさせます。自分も準備をし、7時半くらいに家を出ます。朝は毎日そんな感じですね。

Q:心理学はどういう経緯で学ぼうと思われたんですか?

会社の顧問社会保険労務士さんが学んでいて、すすめてもらい私も学ぶことにしました!

Q:実際学んでみてどうですか?何か仕事に活かせる部分があったとか。

人が行動を変えるのは自らの選択です。他人が人を変えることはできません。内発的動機付けというのがあります。”自分がやる気にならないと人は変わらない”ということなんです。ただし、私たちは、小さい頃から人は変えられるという指導を受けてきました。怒られたり、ご褒美で行動を促されたりした経験はありませんか?これが外的コントロールです。外からの刺激で相手を変えられるという接し方をしていると、その人との関係性が壊れていくと言われています。本当にそうだなと思っています。本質的に、他人が人を変えることができない、ということを理解して接していかないと、と日々思います。

Q:接し方やコミュニケーションだったりそういう部分で活きているんですね。

そうですね。仕事も家庭もどんなコミュニティもコミュニケーションが最重要だと思っているので、意識していますね。

AM 7:30 会社へ向かう

Q:では仕事中のルーティンについて教えてください。

AM 8:00 朝礼

8時に全社朝礼を行います。朝礼後、8時15分くらいから仕事を開始します。社内ミーティングのほか、お客様や社外の方との打ち合わせのため外にでたり、zoomをしたりという感じですね。 

1日でたくさんのミーティングを実施する

Q:ミーティングがメインだとおっしゃっていたと思うんですけど、ミーティングをする上で何か大切にしていることはありますか?

可能な限り社員に任せることですね。「これは自分にしかやれないこと」だというものだけ、自分で巻き取るようにしています。多様なメンバーがいるので、自分以外で完結するものは任せ、自分は最後の承認の時に関われればOKとしています。そうすることで、計画から実行までのスピードをあげることができると思っています。ただ、まだ現状そこまで作業分担が出来ているわけでもないので、改善を繰り返していければと思っています。

Q:なるほど。ではお仕事後のルーティンについて教えてください。

子どもが4人いるんですが、3人がサッカーやっています。クラブチームでサッカーをやっていて、21時でサッカーの練習が終わるので、仕事からそのまま迎えに行って22時前に家に帰ります。子どもたちがお風呂に入って、その間にご飯を食べて、私が22時半頃にお風呂に入ります。子どもたちが寝たら仕事をして、24時頃寝るのがルーティンです。

Q:お子さんが4人もいると平日だけでなくて休日も大変なイメージがあります。

そうですね。休日にもサッカーがあるので、試合と練習で休日が終わります。3人の年代が違うので、練習場所や試合会場が違ったりすると、妻と二手に分かれるか、午前も午後も別々で行動したり…結局一日中サッカーの送り迎えで終わったみたいなことも多々あります。一番末っ子2歳も一緒にサッカーの送り迎えをしています。

Q:子育ての大変さと、仕事の大変さと、両立されているんですね。

どちらもやりたくてやっていることなので、楽しんでますよ!

Q:仕事をしている上で、こういうときにやりがいを感じるというのはありますか?

人が成長しているのを感じたときが一番ですね。そこが本当に一番やりがいを感じます。嬉しいし、今後のことを考えるともっと高みを目指せると希望があるので、その瞬間はいろんな感情になります。

Q:これは大変だったということはありますか?

ここまでくるのも何度も壁にはぶつかってきました。「大変」というより「やりがい」ですが、これからももっと事業も会社も挑戦していかないといけないと思っています。その挑戦するプロセスでは、一人ひとりがさらに挑戦していかないといけないので、時に難しさはでてくると思っています。すでに日々精一杯やっているので、もう1ギアあげていくのは簡単ではないですし、目標・目的が分からなくなったら、やらされている感にも繋がってしまうと思うので、 道を示せるように今後もしていきたいですね。

Q:実際にそういうときはどうやって乗り切っていくんですか?

新しいことってまずやってみなきゃ分からないと思っています。時間がかかるのも失敗するのも当然です。挑戦ってそういうことだと思っているので、とにかく対話して、少しずつ進んでいます。

Q:そうですよね。今、採用の方も力を入れているんですよね。

2021年から新卒採用を始めました。中途採用も積極的に行っており、会社全体としてここ1年半で10人ほど新しい仲間を迎え入れています。

Q:そうなんですね。採用の取り組みを教えてください。

新卒採用をはじめると言った2021年に高卒のメンバーを1名採用できました。次の年に、”経営戦略部”を新設し、採用に力を入れていくことにしました。プロセスは大変でしたが、結果として大学院卒と大学卒と高卒の計3名を採用できました。2023年4月には6名の新卒を迎えることができました。

採用を戦略的に考えて、かなり時間を使って取り組んでいます。自社の強みの整理、訴求ポイントの整理からペルソナ設定はもちろん、採用コンセプト・フローの設計、年間スケジュールとプロモーションまで、しっかり戦略を立てています。今後は、1000人応募がくるようにしていきたいと思っています。常に戦略立案・実行・改善を繰り返しながら常に挑戦しています。

実際に代表である自分も採用活動に時間を使っているので、合同説明会もそうですし、web面接とか会社見学など出れるのは全部出ていますね。

Q:そういった部分も強みになっている感じがしますね。

新卒が結構入ってきてくれているので、1年目、2年目の社員が今後そういう役割を担っていくような、そういう仕組み化(設計に基づく全社採用)ができれば凄くいいなと思っています。

考えている事として、権限が人を育てると思っています。権限を持った人がいる以上、その人の指示で動いている人が、指示している人以上に仕事をやれるようにはなかなかならないと思うんですよね。でももしその人がいなくなったら指示されていた人が権限をもってしっかりやると思うんです。

自分がやっていることを自分以外にやれる人がいないと考えているのではなく、自分がやっているから、やる機会がないという風に考えています。自分がその仕事をやれなくなったとすれば、やる人が出てくるので、権限をどんどん周りに移していきたいですね。うまく言えないですけど、そこは感じてください。(笑)

Q:分かりました。(笑)採用に関してでも、それ以外に関してでも、これからこういうことをしていきたいなどはありますか?

秋田県は「課題先進県」と言われています。残念ながら、人口減少率も高齢化率も幸福度もその他多くの事柄が全国最下位なんです。でも生まれ育って、今生活していて、凄くいい県だと思っています。ただ、みんなが「これじゃ良くない」と思っているところを変えたいと思っています。

ここって凄くいい所じゃないですか。自分の親や先代が未来のために残してくれたから自分たちがあって、不自由ない生活ができているのに、なんでそれを不幸だと思うんだろ。ありがたいなと思えるようにしたい。

それができる会社づくりをしていくというのが一番ありますかね。なのでそういう会社を作っていきます。(笑)

Q:では最後の質問になるんですけど、佑介さんにとってにかほ市とは?

自分の生まれた地域は「親」みたいに思っています。コミュニティみたいな単位で考えると地域が親で、にかほ市が家族みたいなものかなと思います。

そこから由利本荘市は親戚みたいな…親戚一同みたいな。(笑)にかほ市は領域的に、そういう風に考えて家族みたいな感じですね。色々と育ててもらっていますし、家族です。


熱い想いがあるからこそ、たくさんの事業を抱える代表取締役が務まるのだなと感じました。これからも佐藤佑介さん率いる秋田マテリアルの活躍には目が離せません。

佐藤佑介さん、ありがとうございました!

この記事を書いた人

佐藤佑介

秋田マテリアル株式会社 代表取締役を務める。
秋田マテリアル株式会社は、環境事業(金属スクラップ・産業廃棄物処理・リユース事業)、地方創生事業のほか、ドローン会社(air-clue株式会社)の運営など様々な事業を抱えている。