今回は、前職はプログラマーと現場監督!異業種から漁師に転職した齊藤 一成さんにインタビューしました。漁師と離れた職種から漁師になった齊藤さん。1日のルーティンに密着です!

Q:まずはじめに、齊藤さんのご経歴と現在の活動内容について教えてください。

元プログラマーです。それを辞めて、建設会社の現場監督をやりました。その後に漁師を始めて、今に至ります。

Q:漁師になろうと思ったきっかけは何かあったんですか?

会社が潰れそうだったので、辞めて漁師になろうかなと思いました。(笑)

Q:元々漁師になりたくてというわけではなかったんですね。

漁師もいいかなとは思っていました。漁師になる前に1回というか2回ですけど、外の世界を見てきました。

Q:興味というか、身近にあったというのもあったんですね。

そうですね。あと、漁師になる前に『無線』と『レーダー』と『船の免許』を取っていました。

Q:それは漁師になると決めてから取ったんですか?

いつからやると決めたわけじゃないけど、20代前半に全部取りました。

Q:すごいですね!

Q:ではルーティンのお話を教えてください。

ルーティン

AM 4:00 〜 7:00 出港

日の出に出港

Q:漁がある日はだいたいどんな感じですか?

今日は4時頃起きたかな?6時に出港予定だったので。ニュースを見て、天気予報を見ました。それで5時半頃に家を出て、6時前には待機して、ちょっと明るくなってから出港ですね。

Q:出港前の準備も結構あるんですか?

いえ、もう船に積んであるので、エンジンをかけて待機して、明るくなったら出港します。

丸共丸(まるきょうまる)齊藤 一成さんがのっている船

網起こし

魚の血抜きや神経締め等、鮮度管理を大切に。

Q:出港後はどんな流れになりますか?

出港して現場に着いたら網起こしをして、魚をくんで氷水を入れたり、血抜きをして神経締めをしたりしながら帰ってきます。

Q:鮮度管理を大切にということなんですね。

『底建網』と『小型定置網』をやっていて漁次第で、9時くらいに帰ってこれることもあれば、昨日は15時頃に帰ってきたり…。

Q:結構遅くなるときもあるんですね。

魚がいっぱい入ったりとか、何か不測の事態があったりした場合は遅くなります。

Q:漁師をやられている上で大事にしていることや、徹底していることはありますか?

徹底しているのは鮮度管理ですかね。

Q:やっぱりそこなんですね。

あとはどうやったら楽に仕事ができるかとかを考えてやっています。

去年、網さばき機を導入して、たいしたいいです。(笑)

Q:良かったですね!鮮度管理のためにやっていることはありますか?

それこそ血抜きとか神経締めをすることです。あと水氷で締めるんだけど、それも季節によって違います。あまり冷やしてもよくないし。

Q:そのときの気温とかで変わったりもするんですね。

気温とか魚によって変わります。

Q:なるほど。

Q:漁師さんは天候に左右されることも多いと思いますが、当日になって行けなくなることもありますか?

そうですね。天気予報が急に変わったりすることもあります。

Q:そうですよね。

Q:漁師をやっていて大変なことはどんなことですか?

あまりにも魚がいっぱい入ったときとか。(笑)逆に魚が何も入らなかったときとかです。

Q:なるほど。入りすぎても入らなすぎてもなんですね。

イワシとサバが入ったとき、網の目に全部刺さって重くてあげれなくて、やっと処理したこともあります。

Q:イワシとかが入ってきたりするんですね。

毎年今頃(※冬の1〜2月頃)は何回か入ります。

Q:そうなんですね。帰ってきてからやっているルーティンはありますか?

魚を上げて、選別して、箱詰めして。生かして持ってきた魚は生け簀に入れて生かしておいて、あとで出荷したり、夕方に血抜きして出荷したりですね。

Q:船の上でやるものと、持って帰ってきてからやるのがあるんですね。

PM 12:00 食事、愛妻とランチ

Q:そして12時前に帰ってこられたら12時頃に奥さんとお昼を食べられるんですね。

12時に帰って来ても魚の処理とかが終わらなければ弁当を注文して、食べながら魚の処理をしたりしています。

Q:そうじゃないときはご自宅に帰って…ということなんですね。

そうです。家で食べます。

PM 14:00 網起、競売の準備

Q:その後はまた準備があったりするんですか?

『小型定置網』は朝に行って、ご飯を食べて、また午後からもう1回網を起こしに行きます。

PM 17:00 温泉

サウナでととのう。たまにプールでひと泳ぎ。

Q:お仕事後はどのような流れですか?

17時頃に温泉に行きます。

Q:サウナにも入られるんですね!

最近は『金浦温泉』か『ねむの丘』か『B&G』です。(※『』内はにかほ市内の施設名)

Q:『B&G』にもサウナあるんですか?

プールへ泳ぎに行っています。サウナもあるけど、あんまりあったまらないサウナ。(笑)

Q:そうなんですね。(笑)

Q:温泉やプールはほぼ毎日行かれるんですか?

ほぼ毎日です。温泉に行って、プールはたまに泳いだりします。

Q:何か始めようと思った理由はあるんですか?

いや、暇なので。(笑)20年も前からプールに通ってます。

Q:すごいです!

PM 21:00 就寝 

Q:その後、自宅に帰ってからのルーティンはありますか?

お酒を飲んで寝るくらいです。21時頃には寝ます。起きてるといっぱい飲んじゃうので。(笑)

Q:たくさん飲んでしまう前に寝るんですね。(笑)

Q:ちなみに、天候や魚の獲れる量など大変なこともあると思いますが、逆にやっていてやりがいを感じる瞬間はありますか?

やっぱり若い子たちが頑張ってやっているのを見ると「おお、頑張ってるな」って。(笑)自分もちゃんとやろうかなって思います。

Q:そういうのを見て自分も頑張ろうってなるんですね。

そうですね。頑張ったふりをしています。

Q:最初に漁師を始めたときは親がやっていて…という理由だったんですか?

親が漁師をやっていて、一成くん(※にかほ市内の漁師、佐々木一成さんのインタビューはこちら URL)の親もやっていて、そこの下に入りました。

Q:そういう流れだったんですね。漁師も身近にあったんですね。

そうですね。

Q:でも最初からやろうとは思っていなかったんですか?

何も考えてなかった。たまたまプログラマーのソフトウェア会社の求人があったので、ここに行こうかなと思いました。そこを辞めるときも、たまたま建設会社の方がいて、そこに入ろうかなと思って入りました。

現場監督だったけど何でもやりました。スコップ使ったり、建設機械に乗ったり、測量したり、書類作成したり。

Q:本当に何でもやっていたんですね。そのときに資格なども取っていたんですか?

一級土木、一級造園、舗装、管工事、給水等の資格は取りました。
船の免許はプログラマーをやってるときに取りました。無線の免許はその前、高校生の頃に取得してます。親に「これあるから行け」って言われて取りました。

Q:そうだったんですね。それで今は漁師をやられていますが漁師になってどうですか?

面白いですよ。他の仕事をやってから漁師になったので、これまでの経験を活かすことができていると思います。他で働いてから漁師になるのもありかなというか、良かったかなと思います。

Q:今それが活きているんですね。

Q:では最後の質問ですが、齊藤さんにとってにかほ市とは何ですか?

空気のような感じです。やっぱり他に行くといいところだなと思うし、水も美味しいし魚も美味しいし自然もあるし、いいところですね。何も感じないでいるけど、自然豊かでいいところですね。

Q:プログラマーのときもにかほ市にいたんですか?

そうです。一瞬だけ東京に行きました。

Q:1回出ていると戻って来たときに改めてにかほ市の魅力を感じますよね。

そうですね。水がおいしすぎる。

齊藤さんのお話を聞いて、今までの経験はどんな仕事に就いても活きてくるのだなと感じました。違う仕事から漁師になったからこそ気づけることや出来ることがあるのではないでしょうか。齊藤 一成さん、ありがとうございました!

齊藤 一成さんは漁師図鑑に登場しています。ぜひ漁師図鑑もご覧ください!

この記事を書いた人

齊藤一成

にかほ市の象潟漁港で活躍する漁師。にかほ市で発行している『漁師図鑑』にも登場している。