今回は、にかほ市で漁師として活躍されている佐々木 健一さんにインタビューしました!幼少期から魚を獲ることが好きで漁師になった佐々木さん。漁師として活躍するためのルーティンとは…?1日密着です!

Q:はじめに佐々木さんの経歴と現在の活動内容について教えてください。

高校卒業してからすぐ漁師になって3年くらいやって、他にもやりたいことがあったもんだから。ダンプの運転手の長距離がしたくて、3年くらいやるつもりが10年くらいやってた。(笑)やっぱり走るのが面白くなってしまって10年くらいやった。それからまた漁師をやって、今は漁師をして20何年かだな。

Q:漁師になったきっかけはありますか?

魚を獲るのが昔から好きで、小学校のときから休みだってなったら魚釣りばっかりして。虫も捕まえに行ったり、とにかく捕まえるのが好きだったんだよ。暇があればそういうのをやってて、その延長みたいな感じで漁師になったな。

Q:お父さんが漁師をやられていて…という感じですか?

そう。親父もやってて、それこそおじいちゃんも漁師をやってた。

Q:小さい頃から船に乗ったりもしていたんですね。

小さい頃は船に酔うんだよ。(笑)船に酔ってだめだったけども、酔ってでも釣りに行きたくてよく付いていったな。

Q:元々身近にあったんですね。

そうそうそう。そういった感じ。

Q:ではルーティンのお話も聞いていきたいと思います。

ルーティン

AM 4:00 起床、軽くストレッチ

Q:まず仕事前のルーティンについて教えてください。

漁がある日は4時半に起きて、体を温めるためにもストレッチをしてる。軽くな。まずやらないときはないかな。あとツボを押したり。やらないか?俺だけか?(笑)

Q:ツボはやらないですね。(笑)

そうか。(笑)あと5時になったら犬の散歩を30分くらいな。2匹いるんだよ。娘から言われて。(笑)猫もいるんだよ。

AM 5:00 犬の散歩

AM 5:30 港に向かって船の点検

Q:ストレッチをしたり犬の散歩をしてから港に向かうんですね。

そう。犬の散歩とかが終わったら船のエンジンの点検。油が入っているかとか見て、それからエンジンかけて少し暖機させておくんだよ。他の人がどうしてるかは知らないけど。

家に帰ってきてご飯を持って、船の上で、漁場に向かう途中に食べながら行くような感じだな。だいたい漁場に着くのが7時半頃かな。

Q:なるほど。

AM 6:00 出港、漁場へ

天気が晴れた日は網仕事

漁場に着いて、ロープの巻き上げをして、なんだかんだロープを巻いて、網を上げて…終わるってば10時から11時頃になるな。

AM 7:30 ロープの引き揚げ(網上げ)

AM 10:00〜11:00 魚を外しながら帰港

それから魚を外しながら帰港したり、魚がないときはそのまま真っ直ぐ昼飯食べながら向かってきたり。

第八直栄丸(だいはちなおえいまる)佐々木 健一さんがのっている船

Q:そのときによって結構変わったりするんですね。

んだ。そのときで全然違うから。ルーティンと言っているけど毎日違う。同じようにいく日はまずないな。

Q:やっぱりそうですよね。

(獲れる魚の)量次第だな。量があるときはもっと遅くなるし、それこそ量ないときは1時間2時間すれば帰ってくるときもあるし。

PM 12:00 休憩、昼食を食べる

Q:そしてだいたい12時頃に休憩したり昼食を食べたりという感じなんですね。

帰って来てからな。船の上で食べたり、家に戻ってきて食べたり。

Q:一回自宅に帰ってきて、という感じなんですね。

そっちの方が多いな。

PM 14:00〜15:00 次の日の準備

Q:次の日の準備は具体的にどんなことをやっているんですか?

網のゴミをはずしたり。やっぱり魚ばっかりかかるわけではないんだよ。海のゴミがあったり、木があったり、中国のゴミとかビニールとか色々だよ。そういうのをはずしながら色々準備をして。

沖の『刺し網』のときはゴミをはずして、船に置いて、次の日の準備をして終わりなんだけども、『繰網』ってのもやってるんだよ。

Q:『繰網』はどんなものなんですか?

繰場に目掛けて網をやるんだよ。その網の準備をしたり。

Q:どんな魚が獲れるんですか?

『ヤリイカ』とか『メバル』とか…あと『タイ』とか『ミズダコ』とかそういったの。その準備して、なんだかんだ終わるのが14時とか15時頃になっちゃうな。そのあと組合に魚を運んでいくような感じだな。

次の日の準備が出来次第、魚を組合に並べる

PM 16:00 帰宅

Q:そのあとに帰宅されるんですか?

終わったら帰宅して、体に余裕があれば筋トレしたり。(笑)余裕がなければ、そのままバタンキューしたりな。その日によってな。

Q:トレーニング機材がすごいです。

トレーニング部屋だから。(笑)網仕事しながら、休憩しながら筋トレしてんだよ。休憩で筋トレしてんだ。(笑)

Q:すごいアクティブですよね!

体を動かすのが好きだからな。

Q:だいたいこのような流れなんですね。

そうだな。

Q:トラックの運転手なども経験して、また漁師に戻ったと思うんですけど、どんなときに漁師をやってて良かったと感じますか?

やっぱり魚がいっぱい獲れたときが面白いな。みんなそうなんじゃないか、漁師なら。やっぱり魚が獲れたときと、沖から朝日を見る瞬間が好きだな、綺麗で。

Q:そういうのは漁師ならではな感じがしますね。

Q:逆に力仕事などもあると思うんですけど、そういう大変さもありますか?

やっぱり寒いときは手が動かないな。指先まで動かないときもある。そういうときはやっぱり大変だな。だからストレッチしてんだよ。(笑)

Q:そういう意味もあったんですね。(笑)

Q:漁師さんで「魚が獲れすぎても大変」っていう方もいましたね。

魚が獲れすぎても大変だ、たしかに。狙った魚ばっかりじゃないんだよな。『イワシ』とかも獲れるもんだから、獲れすぎても(狙いを)はずすときは大変なんだよな。

Q:そういうイワシとかが大量に獲れたときはどうするんですか?

手伝いの人が何人かいるからそういう人にあげたり、家に持ってきて食べたり。

Q:なるほど。漁師をやっている上で意識していることは何かありますか?

やっぱり海に落ちないように気を付けないといけないな。何回か危なかったこともあるし、海に落ちたこともあるし。たまたま周りに人がいたから、冬の海だったけども助かったんだよ。そういう失敗が許されない仕事だから、やっぱり気を付けないといけないな、海は。

Q:常に危険が伴いますからね。

そう。船のエンジントラブルとかがあっても大変なことになるしな。流木が流れたりしてるんだよ。でも真っ暗なときって分からなくて。それにぶつかって船に水が入ってしまって沈んだりもする。

Q:やっぱりそういった怖さもありますよね。

Q:では最後の質問になりますが、佐々木さんにとってにかほ市とは何ですか?

やっぱり山と海があって、山と海に囲まれてて、美味しい物も食べれて最高に良い場所だって思うな。海が荒れたりすると、山に行ってタケノコとかきのこを採ったりしてるんだよ。だから山の恵みからも助けられてるな。

Q:山も海もあって…っていうのはなかなかないですよね。

ないな。今はトライアスロンとかもないからな…やっぱり海も綺麗なもんだから、象潟の海で泳ぎたいって人気だったんだけど、今はコロナで全然。

Q:毎年トライアスロンには出てたんですか?

出てたな、毎年トライアスロンはじめ、さまざまな競技に参加してた。100キロマラソンとかも出てたんだよ。佐渡のトライアスロンにも出たことがある。あそこも海が綺麗で最高だったな。

Q:そうだったんですね。佐々木さんにとってにかほ市みたいなところはピッタリですね!

幼い頃から魚を獲るのが好きで、体を動かすことが好きで仕事もプライベートもアクティブな佐々木さん。漁師に向いている人だなと感じました。日々トレーニングすることは、命懸けの漁ではとても役立ちそうですね。

佐々木 健一さん、ありがとうございました!

佐々木 健一さんは漁師図鑑に登場しています。ぜひ漁師図鑑もご覧ください!

この記事を書いた人

佐々木健一

にかほ市の象潟漁港で活躍する漁師。にかほ市で発行している『漁師図鑑』にも登場している。