今回は、にかほ市で漁師として活動している佐藤栄治郎さんにインタビューをしました。
隆栄丸の船長としての1日ルーティンをお聞きしました!
Q:栄治郎さんのご経歴と現在どんな活動をしているかを教えてください。
経歴は高校卒業後漁師になって、漁師10年目です。現在は船長としてやっています。
あとは漁業体験とか、漁業に関心のある大学生を積極的に受け入れて活動しています。
Q:漁師になるきっかけは何ですか?
保育園のときから漁師がかっこいいなと思っていて、ずっと小さいときから浜に行って親父の仕事をしている姿を見ていてこの世でこれよりかっこいい仕事はないと思って漁師になりました。
Q:お父さんはいつからやられているんですか?
高校卒業してですかね。お前が漁師をするなら新しい船をつくるとか、漁師しないなら船つくらないとか、その時の親父のおじいちゃんに言われたって言っていました。ひいおじいちゃんですね。
Q:漁業体験とか結構やられていると思うんですけど、具体的にどんなことをしているんですか?
漁業体験は漁師やってみたいなとか、ただ漁師に興味あるとか、魚を捕っているところを見てみたいとか、すごい軽い気持ちで漁業に関心とか、船乗ってみたいだけでもいいのでまず漁業を広めたいという想いから漁業体験を始めました。
一番の狙いは若い漁師を増やしたいですけど。観光もいけるよなと思って。
Q:今若い漁師ってやっぱり少ないんですか?
少ないと思いますね。20代がいないですね。
Q:だいたいみんな何歳くらいから始められるんですか?
やる人は高卒、あとは脱サラしてとかも多いんじゃないですかね。
Q:普通に生活していてもあまり触れる機会がそもそもないですよね。
だからあえて触れさせようと思って漁業体験です。
今後、体験はもっと増やそうと思ってます。
Q:体験はどのくらいのペースでやっているんですか?
毎週土曜日とかでやろうかなと思って。今冬場の期間はあれなんですけど、春先ぐらいからとは思っているんですけど。
今わかめをちょっと育てていて、わかめ狩り体験とか。わかめは2月とか3月なんですけど。港の中でわかめを育てているので海が荒れていても関係ないんですよ。
わかめ狩って、わかめしゃぶしゃぶして、お酒飲んで。
Q:体験は結構人来ますか?
来ますね。漁業体験は今年に関しては市の扱いになったので、市の方には結構問い合わせ来ているみたいで。
Q:そういう体験が増えていくのはいいことですよね。
いいですね。親子連れとか一番よかったですね。小学校2年生と4年生の女の子と男の子のお父さんとお母さん。一番親の方が興奮していて、興奮と感動。子どもは魚捕ってるのすごいってなるし、親は親で漁師ってここまでして魚捕ってるのかみたいなのとか。そのままその日は宿に泊まって夜その自分達が捕ってきた魚を食べるっていう。
Q:そういう体験がないと実際どんなことやってるのかとか分からないですよね。
分からないです。修学旅行もなってちょっと思いました。すごい子どもの少ない学校、山の学校とか。でもタイミングが合わないと、海が荒れてたら出れないので。中学校の修学旅行とかを狙いたいです。今もうコロナで割と地元を周っているので。姪っ子も本荘に住んでいるんですけど、修学旅行GAO(ガオ)でした。GAO(ガオ)行って田沢湖行って終わりみたいな。体験した方が面白いじゃんと思って。
Q:どこかの学校はバスケ観戦が修学旅行とかありましたね。
いいじゃないですかそういうので。中学生とか一番多感な時期なので。それでもって絶対漁師無理ってなったらそれはそれでいいんですけど、体験しなきゃそれって思わないことなので。小学生には毎年、地元の金浦小学校だけなんですけど乗船体験やっているんですよ。ただ船乗ってクルージングして帰ってくるみたいな。他の学校もやったらいいのにと思って、乗船体験ぐらいだったら超手軽にできるので。
Q:修学旅行いいですね。
ちょっと思いました。ちょっと思ったんですけど、学校側はやっぱり安全優先なので難しいかなと。でもそのかわりやっぱり生徒の少ない学校だとわりとそういうのってやりやすいんですよ。こっちも受け入れる船がまだ二艘しかないので、10人か15人くらいが限界になっちゃうので。10から15だったら二つに分けるので、ただの乗船体験だったら一艘に15、16人乗せていくだけなんですけど、漁を体験するとなると分ける。
Q:その流れで学生の受け入れとかもなんですね。
コロナになってからやっぱり一次産業に興味を持つ学生が増えたみたいな感じのことを聞いて、漁業体験もコロナなってからだったので。
結局ITとかそっちとかよりも、コロナなって仕事なくなったっていっても生産者って食いっぱぐれないじゃないですか。
だから生産者に興味を持つ学生が増えたみたいなのを聞いて、いざTwitterとかで呼びかけてみたら結構学びたい学生がいるみたいになって始めた感じです。
Q:それが青空留学ですか?
青空留学もそうですね。
Q:どのくらいの期間受け入れているんですか?
基本的には年間通していつでも受け入れていますね。この間は東大生は3週間いて、昨日までは5日間かな。昨日また別の子が都立大学の大学院生が5日くらい。
Q:その人によって期間は違うんですね。
違いますね。
ルーティン
AM 0:30 起床。着替え(必ず靴下から履く)
必ず靴下から履く着替えについてですか?(笑)靴下は5本指のやつを履いているんですよ。足に汗かいちゃうと履きにくくて、寝起きでストレス感じたくないんですよ。っていうだけです。なのでまず靴下。
AM 0:50 漁港へ。車で移動。
AM 1:00 出港。その日に行くポイントを考える。
そして出航します。出航してその日に行くポイントを考えてます。
Q:ポイント決めで一番重要視しているところはありますか?
とりあえず前の日の漁とかで入ったポイントに向かいます。だいたいそうしたら他の船も向かってきたりするんですよ。場所取りみたいなのが始まり。あとはもう感覚ですね、この辺かなとか。
AM 1:15 SNSチェック
漁場に向かっている間は、2時間とか3時間くらい時間があるので、その間にSNSをチェックしたりとか更新したりとか「今から出航です」みたいに更新したり。
Q:栄治郎さんはすごくSNSとかで発信されていますがやっぱり意識してやっているんですか?
意識してます。とにかく漁業を知ってもらって若い漁師を増やして漁師町を活気づけたいなと。
AM 3:30 漁場着
3時半くらいに漁場に着いて乗組員を起こします。
AM 4:00 開始。ホーンを鳴らす。
4時開始で、4時くらいになったらブザー鳴らしてそこからもう仕事です。
Q:仕事をしている上でここにこだわりを持ってやっていますとかはありますか?
魚の鮮度とかですね。魚の扱いの丁寧さとか。それは周りからもすごい評価されている部分なので。あとは負けたくないっていう気持ち。
Q:やっぱり鮮度とか丁寧さって大事というか、それによって変わったりしますよね。
やっぱり鮮度が違うと日持ちの具合が違うし、出荷してからはだいぶ変わってくるんじゃないかなと。
AM 5:15〜 網の引き上げ、選別、箱詰め
1時間から1時間半に一回網が揚がってくるので、網が揚がったら乗組員の人は選別と箱詰め作業と同時に次の網入れ作業も。
自分は運転して次のポイント向かって、次の網入れる作業があるのでそれは同時進行ですね。
Q:栄治郎さんがやられているのって底曳き(そこびき)ですよね。あれは具体的にどういうものなんですか?
海底にいる魚をメインに捕っています。海の底を引くので、海底にいるようなカレイとかヒラメとかエビとかカニとかタラとか。
Q:それはお父さんがやられててという感じなんですか?
そうです。底曳きは結構秋田県で有名だったので。うちの初代のおじいちゃんが始めました。ひいおじいちゃんですね。
Q:そうだったんですね。継がれているんですね。
漁師 佐藤栄治郎氏のルーティン Vol.2に続く。
続編では、帰港してからのルーティンをお聞きします。ぜひご覧ください!
佐藤栄治郎さんは、秋田県にかほ市で活躍する漁師と、漁師の魅力をぎゅっと凝縮した図鑑「漁師図鑑」にも掲載されています。
Webサイト:https://www.ryoushizukan.com
漁師図鑑の記事はこちら:https://tegake.com/release3/