こちらの記事は、『サンワメタルス 平澤誠氏のルーティン Vol.1』の続編になります。
研磨品の製造販売を行うサンワメタルス株式会社の平澤 誠さん。代表取締役の仕事は、実はなんでも屋さん?!今回はお昼休み以降のルーティンワークについてお聞きしました。
PM 12:00 昼休み
購入品の管理をしたり、書類を作ったりしているとあっという間に午前中が終わりますね。
うちの会社は近くの食堂の一休食堂さんと契約していて毎日出前を届けてもらっているんですよ。基本その出前飯で、銀行に支払いなどがあったりする時は、出かけて用事を済ませてご飯も食べてきますね。あとはたまに、月に1回くらい同友会の仲間とランチミーティングをしています。
前はそこまで意識していなかったのですが、マスクをしてからマスクの中が匂うので食後に歯磨きをしています。以前はそんなに気にしなかったんですけどね。それだけでなく来客があったりすると対応する役割なので失礼のないように。なので例えば平日じげんさんにご飯に行っても、じげ郎は食べないです。ニンニクはとらないように。(笑)
そして休憩時間にまたSNSをチェックして、普通に業務に戻って就業時間となります。
PM 12:45 午後 始業準備
午後に入って通常業務をこなします。本当に何でもやりますね。ちょっと手が空けばお客さんのところに行ったり、手伝ったり…。製造の方はがっつり機械を触ってしまうと急な来客があった時に対応できないので、補助ぐらいしかしていないですね。
Q:本当にどの業務でもやられているんですね。
そうですね。本当はもうちょっと外に切り出していきたいんですけど…。現状社内で誰かにっていうのもないですし、一度、総務事務とか経理事務を切り出そうと思って派遣さんを入れたら社員さんから、見ず知らずの人に給料の中身を見られるのは嫌だなという声があがったりしました。本当はもうちょっと切り出したいですけどね。
この数年は採用関係のことに力を入れています。今までうちの会社は採用に力を入れていなかったんですよ。新卒採用もないですし、それ以外にもハローワークさんを使って募集かけて…何となく応募がくるので、面接してという形でした。基本的にはそんなに断らずに働いてもらっていました。ですが、この数年、急に人事面に必要性が求められているので、今は主にそれをやっている感じですね。
その隙間を見て総務経理の仕事をしています。逆に言うとその隙間でできるような経理事務の仕事はデジタル化を進めています。
Q:インターンの採用も今年(※取材当時2021年)からですか?
今年からですね。今年の夏に初めて受け入れました。
PM 17:00 終業時刻、残業時間帯
そして定時後からは自分の好きなように仕事ができる時間なので、集中して仕事ができるのはこの時間ですね。あんまりよくないなと思っています。
勉強会への参加や定例会の打ち合わせなど、同友会に関することに時間を使ったり、経営に関する勉強をしたり。本当はこれをやるなら朝早くきてやった方がいいのかなと思いますが、朝が起きれない人間なので。(笑)
一応会社の定時が17時ですが業務の内容によっては製造部門が残業したりするので、そういうときに勝手に先に帰るよとできないので一緒にいるじゃないですか。それもあるので夜は戸締まりするところまで基本的にはいます。なのでその間に自分の仕事を一生懸命やると。
Q:仕事後のルーティンについて教えてください。
PM 18:30〜21:00 退社
家に帰ってからNHKのニュースを見ます。それは毎日、家に帰ってご飯を食べるときは欠かさずにやっていますね。地方の情報を知るためにやっています。秋田県内でこんなことがあったんだねとか。
全国ニュースはニュースサイトで確認できますけど、県内のニュースは魁さん(※秋田の新聞社の秋田魁新報社。秋田県内のニュースを取り扱っている。)だけだと足りないこともあるので。
Q:仕事中のこだわりなどはありますか?
基本デスクワークですが、1日のうち何回かは工場の中を歩くように心がけていますね。何かあったときだけじゃなくて、何でもない時の社員の顔を見ておかないと、何かあった時に何でそれが起こったのか理解できないからです。
こういう仕事をしてて、「うちの社長、座ってばかりで何も手伝ってくれない」と思われたら信頼を無くしてしまうので。(笑)監視するのではなくて、ちょっとした用事を見つけたフリをしています。(笑)企業活動をする上で1人じゃ何もできないし、少人数でもできることは少ないと思っています。
会社は今14人社員がいますが、全員が同じ方向を向いてくれないと本来の力を発揮できないと思います。逆に言うと同じ方向を向いて動ければ、そういう会社が一社でも増えていけば地域全体が良くなれるのかなと思います。そういう活動ができればなと思って日々過ごしています。
Q:社員とのコミュニケーションは意識されているんですか?
してますね。基本的にコミュニケーションは苦手です。人見知りだし、社内の人とも垣根を作りがちなんですよ。自分の仕事に没頭してしまうタイプなので…。それでやってきていて、「平澤さん、それだとだめだよ」といろんな人から言われました。「そうだよな、逆の立場なら嫌だよな」と思うようになったので意識するようにしています。
綺麗な言葉で、”人こそ資源”みたいな言葉をよく聞くじゃないですか。ああいう言い方をしているところって意外とそうじゃないとか…。なので経営理念にもあるように、仲間となるようになりたいし、チームで動けるようにしたいです。
「結局のところ、自分がなんでそういう風に考えるのか」というのを深く考えたことがあって、根底にあるのは、やはり1人になりたくないんですよ。前職からこの職についた経緯もあって、ここで拾ってもらったので恩返しをしたいという気持ちもどこかにあります。元々が一人っ子だったので1人で過ごす時間が長かったんです。ずっと寂しさを持ち続けてたらしいんですよ。自分で気づいてないだけで。
会社を”ただ仕事する場”であってほしくないという意識があります。自分もそうだし、社員のみんなもそうです。
子供たちは小学校に行くのを楽しみにしているんですよ。それって多分人間の本質的な部分を表しているのかなと思っています。私は犬と一緒で1人で生きられない生き物で、猫じゃないんです。せっかくこういう場所があるなら、そこが気持ちのいい場所であってほしいなと思っています。みんな仲良く暮らしている方が幸せなのかなと。それをどうにかして伝えたいなと思っています。
Q:そういうコミュニケーションとかを意識し始めてから変わったことはありましたか?
人からは「平澤くん変わったね」と言われるようにはなりましたが、自分では分からないですね。でもイライラすることがなくなりましたね。コミュニケーションを大事にしていなかった時は相手のことを理解していなかったので、「どうしてこっちの思っていることを理解してくれない」「こう言ってるのにやってくれない」とイライラしていたんですよ。
それがこの人はこういう人だから伝え方が悪かったなとか、自責でものを考えられるようになったので、イライラする機会が減りましたね。会社においては。(笑)
家庭にいるとそれができなくて、家庭は自分を出せる場所なので、いい大人であろうという考えがなく過ごせますよね。そうすると、その自分の根っこのわがままな部分がでてきて、どうして分かってくれないんだよと。いつも「あ、また言っちゃった」と。それが一番課題ですね。(笑)家庭でもいい夫であって、いい父親でなければこういう職場でいい大人にはなれないなと常々感じていますね。
Q:では最後の質問です。平澤さんにとってにかほ市とはなんですか?
母方の祖父母がこの街の出身なので自分が幼い頃に住んでいたこともあります。自分自身、今は由利本荘市民ですし、どこか外から来た外様の人間だというのもあるんですけど。外様の感覚でも何か役に立ちたいなと思わせてくれる場所です。「ふるさとにしたい場所」ですね。
代表取締役として、どのように従業員として向き合うか試行錯誤があるんだなと感じました。なんでもやるというのは、会社を経営するうえで必要なことなのかもしれませんね。
平澤誠さん、ありがとうございました!